故郷の図書館訪問-岡崎市立中央図書館

10年ぶりに故郷の図書館へ行ってきました。
私の故郷・愛知県岡崎市岡崎市立中央図書館」
岡崎市立中央図書館は、2年ほど前に移転リニューアルし、今は「康生」という地区にあります。康生地区は、私が子どもの頃はデパートなどの商業施設が立ち並び、買い物客で栄えた場所でした。それが今では、買い物客は市内の別の地区や名古屋へ流れて行ってしまい、すっかり人通りがなくなってしまいました。商業施設が次々となくなってしまったその地区に、図書館はあります。
平日の昼過ぎ、岡崎市立中央図書館を訪れました。白を基調としたキレイで明るい印象の建物に、様々な年齢の人々が吸い込まれていきます。平日にもかかわらず駐車場は満車でした。
図書館を中核とした生涯教育と市民活動のための複合施設
出入口は2つあるらしいのですが、私が使った出入口は入ってすぐに、天井から自然光をふんだんに取り入れた、明るく広い空間が広がっていました。出入口があるのは2階らしく、入って正面の少し先に、1階へ下りるための階段とエレベータがあります。
右手には、一面のガラスの向こうに明るい閲覧スペースと書架が見えます。左手には、岡崎市出身の内田修さんという方の寄贈による「ジャズコレクション展示室」があります。(ジャズ界では世界有数のコレクションだそうです!)
そして、1階へ降りてみると、右手に図書館のスペース、左手にホールの入り口や複数のスタジオ・・・?
というのも岡崎市立中央図書館は、生涯学習に市民活動の拠点を併せ持たせた複合施設「岡崎市図書館交流プラザ(Libra)」の一部なのです。他にも施設内には、市民の生涯学習・社会貢献活動の総合的な支援を目的とした「市民活動総合支援センター」の窓口、活動コーナーというフリースペースや、会議室、調理室などもあります。老若男女様々な人が参加するお料理教室も開講されているらしいです。
明るく開かれた印象の図書館
図書館は、2階の「ポピュラーライブラリー」「子ども図書館」、1階の「レファレンスライブラリー」の大きく3つに分かれています。
ポピュラーライブラリーには、生活に身近な資料が「コンピュータ」「旅」「暮らし」「趣味」「スポーツ」などといったテーマ別に並べられています。170cmくらいの低めの書架と、様々な形の机や椅子、ベンチが配置され、幅広い年齢層の人々が雑誌や図書を読んでいました。
閲覧席や個室になった研究室もほぼ満席です。閲覧席は自習目的の学生さんも多いと思うのですが、フロアの中で明確な仕切りを設けていないからか、誰にでも開かれたスペースとして機能しているように見受けられました。全体にとても明るく、清潔な印象を受けました。
レファレンスライブラリーは、ポピュラーライブラリーの下に位置しており、両者は複数の階段でつながっています。こちらには、ポピュラーライブラリーよりも少しだけ背の高い書架に、参考資料、郷土・行政からなる地域資料などを中心とした専門性の高い資料が並んでいます。
試しにタッチパネル式の検索機をいじっていたら、郷土資料を探す機能を使って、実家の近所にあるとある史跡について記載のある資料にたどり着くことができました。早速その資料を書架で探して、その史跡について記載のあるページを読み、小学生の頃からの謎であった「近所にある何やらすごいものであるらしい史跡」の正体を知ることができました。(すっきり)
子ども図書館には、小さな子どもがいっぱいで、、遠慮してあまりみることはできませんでしたが、かなり背が低い書架や小さな机・椅子が「子ども専用」といった雰囲気でした。あの書架なら小さなお子さんでも本の出し入れができそうだなぁ・・・と。また、授乳室や乳幼児室も充実しているようでした。
開かれた、居心地の良い図書館へ
ひさしぶりに故郷の図書館を訪れてみて、この地に暮らす人々にとってこの図書館はどういう存在なんだろう、ということを考えました。私の親の老後や、今も岡崎市に住む友人とその子どもたちのこれからには、この図書館はどう関わるんだろう、と。
私が岡崎市を離れてから10年、その間にも、市は少しずつ変わっています。たまに帰省するだけ、新しい図書館にもたった一度訪れただけの私に、何かがわかるわけではないけれど、明るく開かれた雰囲気のこの図書館に(勝手に)期待したいと思いました。
市の姿や人々の暮らしの変化に合わせて、柔軟に姿を変えていくような・・・すべての市民にとって居心地のいい場所に・・・若干地元びいき入ってますが、今日訪れた図書館はそんな期待を抱かせてくれる場所でした。

図書館で地元活性化計画(奈良県編)

カーリルAPIコンテストの企画部門応募作品「図書館で地元活性化計画(和歌山県編)」に影響されて、先日は私の地元愛知県編を作ってみたのですが、moonsun0321さんが奈良県編を作ってくださったので、ココに掲載させていただきます。
《ここからmoonsun0321さん作成》
図書館で地元活性化計画(奈良県編)
奈良県はどんなイメージがありますか?鹿とか大仏、お寺の他に、最近ではせんとくんを挙げる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
奈良県は、豊富な観光資源を誇り、国宝・重要文化財件数は全国3位の位置につけている。一方で、観光客は放っておいても寄ってくるという態度から(大仏さん頼み、という意味で「大仏商法」と呼ぶことも。)、十分に観光客を呼び込めていないのも現状である。多くの観光客は京都か大阪に宿泊し、奈良には日帰り観光で済ましている。宿泊者数は全国最低の47位、キャパである客室数も46位も留まっている。
また、奈良県南部は、電車や公共交通機関が少ない「秘境」であるが、吉野・十津川など独特の文化を作り上げてきた地域である。近年は、高齢化や過疎化といった問題を抱えている。
これらの問題意識から、北部・南部における図書館の活用策をそれぞれ提示する。
(1)北部の図書館
観光客を呼び込めるために工夫する。図書館を観光の起点の1つにする。
東大寺興福寺唐招提寺薬師寺など、奈良にはさまざまな寺社仏閣があるが、それぞれどのような関係にあったのかを知る機会が少ない。例えば、若草山の山焼きが東大寺春日大社の領地争いが起源になっているとか。奈良のお寺が廃仏毀釈の影響を強く受け、国宝の興福寺が明治期に二束三文で売りに出されたとか。
1つの寺社に訪れれば、その歴史を深く知ることも可能だが、ときどきふっと位置を知りたくなると思う。日本の歴史の中での奈良時代の意味、宗教都市のとして奈良の位置、といった風に。奈良に行って、1つの寺社に限らず広い視点で奈良を見たくなった時、ガイドブックでは足りない時、ふっと図書館に寄ってもらいたい。
観光地に「詳しくは図書館へ」と案内を出す。図書館に観光パンフレットだけでなく、さまざま情報を提供できる資料や展示を用意する。図書館を観光地のハブ的な役割を任せる。図書館がハブ的な役割を果たせば、奈良の観光資源の豊富さをアピールできる。リピーターや長期滞在者の増加が期待できる。
また、奈良の北部は観光に訪れるが、南部はなかなか足が伸びない。北部の図書館で、南部の観光地を紹介する仕組みを設ける。
(2)南部の図書館
図書館を溜まり場にする。南部の図書館は、交流の場として活用してはどうか。
人口減が進んでいる地域で人が集まるのは、病院、お寺、銭湯などである。それぞれ交流の場として重要だが、ここに図書館が加えるようにしたい。
図書館が他の施設と異なるのは、情報を持っていること。図書館のそばでおしゃべりしながら、会話の中でふと調べ物をしたくなったら、図書館にぶらっと入っていろいろ調べる。もっと調べたくなったら、1人で来て勉強する。図書館の中に、たたみとテレビを置くとか、ベンチを置くとか。場を設けることで、疎遠になりがちな情報と行き来する場を設ける。
図書館をひとつの場として用意することで、銭湯とは違った交流を生み出すことができるのではないか。
《ここまで》
 
さっそく奈良県編を作成し、このブログでの掲載を申し出てくださったmoonsun0321さん、ありがとうございます。

和歌山県編は↓のリンクから

私はいかにして図書館員になったのか、を考える(幼少期編)

私は今、図書館で働いています。といっても、子どものころから本が大好きで…とか、ずっと図書館の司書さんに憧れていて…というわけではありません。
じゃあ、どうして図書館で働くに至ったのか?これまでの自分と図書館との関わりを、子どもの頃の記憶をたどりつつ、考えてみました。
※書き出したら長くなりそうなので、とりあえず幼少期編です。(ちょうど「こどもの日」だしね、というのは後付けです。)
幼少期編「子どもの頃の図書館のイメージ=紙芝居に触れるところ!」
子どもの頃の記憶に初めて図書館が登場するのは、幼稚園の年長さんか小学校低学年の頃です。(詳しい時期は覚えていません。)
母親が美術館によく用事がある人で、私は母親について行って、(当時は)市立美術館の隣にあった市立図書館で母親の用事が済むのを待っていました。その図書館には、「子どもの部屋」みたいな小部屋があって、じゅうたんが敷かれた部屋にたくさんの絵本と小さなテーブルやイスが置かれていました。
その中でも私が気に入っていたのは「紙芝居」です。
絵本はお家にもあるのだけれど、紙芝居に触れるのは図書館だけ。そんな特別感も手伝って、図書館ではいつも1人で紙芝居を読んでいました。紙芝居は、子どもにはちょっと大きいし、絵に合う文章は違うページの裏面に書いてあるし、誰に聞かせるでもなく1人で読むには向かない形状だと思うのですが…、当時は好んで図書館で紙芝居を読んでいたのを覚えています。子どもが1人で、じゅうたんの上に置いた紙芝居を何度もパタパタとめくりながら、表面を見たり、裏面を読んだりしているのだから、なかなかおかしな光景だったかもしれません。
ただただ、紙芝居のあの形状・存在が私の好奇心を刺激してやみませんでした。
って、なんだか紙芝居への思い入れ話になってしまいましたが…、子どもの頃の私にとって、図書館は、「お家にはない資料(=紙芝居)に触れる特別な場所」「1人思うままに紙芝居に挑める、とってもワクワクする場所」でした。
 
幼少期編はここまで。次は小学生編を書こうかな、と思っていますが、子どもの頃の記憶をたどるのはなかなか大変です。もう20年くらい前のことなんだ…。ずいぶん年をとったなぁ…と思ったこどもの日でした。

図書館で地元活性化計画(愛知県編)

先日のカーリルAPIコンテストの企画部門応募作品「図書館で地元活性化計画(和歌山県編)」に影響されて、私の地元愛知県編を作ってみました。(和歌山県編は↓のリンクから)

※基本的に(あえて?)和歌山県編のフォーマットに沿って作成しました。企画への便乗とブログ掲載をご快諾いただいた和歌山県編作成者さまに感謝します。
※※下調べ不十分なまま書いてしまったので、事実誤認等ありましたらごめんなさい。特に愛知県民のみなさま、失礼な記述がありましたらごめんなさい。
 
図書館で地元活性化計画(愛知県編)
私は愛知県の出身。自動車産業が有名なほか、自然環境が豊かなため農林水産業も意外と盛ん。東海地方のリーダーを自負している。若者の地元志向は強く、大学進学の際には東京に憧れ上京するも就職は地元愛知で、というケースも多数。(※注:私独自統計)とはいえ、他の都道府県出身者に愛知県出身だと言うと、なぜか苦笑・失笑される。(理由は不明だが、方言が下品、関東でも関西でもなく中途半端、なんかダサい…といったところか?)さらには、「愛知」ではなく「名古屋」と言わないと認識してもらえないことが多い。(事実、私は愛知県岡崎市出身だが、名古屋出身と言うことが多い。)このなんともザンネンな状況を打破すべく、図書館として何が出来るか、愛知県民がもっと地元に誇りを持つことができる、どこにもない公共図書館をハード面から考えた。
すでにある地元志向をさらに強化しつつ、もう他都道府県民には笑わせない、真に地元への愛着を生むような施設にすることを目指す。
(1)設計
・大型ショッピングモール的に、図書館、美術館、博物館、映画館、書店、スーパー、飲食店等々との複合施設とする。大容量の駐車場完備。(※注:私主観統計だが、愛知県での休日の過ごし方として、大型ショッピングモールで1日中楽しむというのは定番。他都道府県でもそうかな…?)
(2)設備・サービス
・同じ施設内の他のサービスとシームレスに利用してもらうためにも、資料はできるだけ開架する。
・図書館で閲覧して気に入った本が書店にあれば、購入したらいい。検索システムでは、図書館蔵書と、同じ施設内の書店の在庫を一緒に検索できるようにする。
・自動車(豊田市)、八丁味噌岡崎市)、ちくわ(豊橋市)など、名古屋市にとどまらない県内の各産業に関する資料を、愛知県の地図とともに書棚に配置。食品の場合はスーパーで購入可能。→通常のショッピングモール以上に、地域の特色・文化を体感できるようにする。
・地元民だけが知っているような本当においしい飲食店を厳選して出店。(私の地元岡崎市には、東京にも負けないくらいおいしいイタリアンやケーキ屋さんがあるんですよ!!)
(3)各種イベント
・愛知県出身の三英傑(織田信長豊臣秀吉徳川家康)に関する資料を集めたコーナーを設置。さらに実物を見てみようということで、ゆかりのある城跡や寺院を訪ねるツアーを、同じ施設内の博物館・美術館と協力して定期的に開催。(司書や学芸員がツアーガイドをする)
中日ドラゴンズ及び名古屋グランパスエイトと協力し、選手が自身の著書やおすすめ本を紹介するトークショーを開催。→スポーツ選手とのコラボで、かっこいい愛知県をアピール。最終目標はイチロー選手(愛知県出身)を招くこと!?
 
とりあえず以上。(とりいそぎ作成したので、せっかくならまだまだ企画を練りたいなぁというのが正直なところです。)
また、他の都道府県編もできたらおもしろいなぁ、と思っています。カーリルAPIコンテストで和歌山県編のプレゼンを聞いていて感じたのですが、たとえプログラミングができなくても、みんな地元はある。誰でもできる取り組みとして、それぞれの地元活性化計画を考えてみたらおもしろいだろうなぁ、と思ったのです。そんなわけで私自身実践してみました。
実際に考え、手を動かしてみる、というのはいいことです。他の都道府県編を作ってやる!という人はぜひご一報を。

数日後、数ヶ月後、数年後、そしてもっと未来の自分へ

未だに始めることを迷っていたり、続くかどうか心配だったり…と、決して万全の体勢ではありませんが、ブログ始めます。
東京へ転勤してきてから1年と1ヶ月が経ちました。この1年1ヶ月間で、自分が置かれた状況は大きく変わりました。
特に、2010年に入ってからは、ARGにインタビューが掲載されたり、

昨日(5/1)は、カーリルAPIコンテスト授賞式+図書館ダイアローグvol.3で審査員をつとめさせていただいたり、

と、かなり好き勝手に活動させていただいています。
これまで、進路に悩んだり、転職を迷ったりして、数ヶ月後・数年後の自分がどこにいて、何をしてるのか、想像がつかない…という場面は何度となくありましたが、今もそんな感じです。実際に、今の自分の状況は、数ヶ月前・数年前の想像を超えています。
今、進学するでも、転勤するでも、転職するでもないけれど、自分の選択・行動次第で近い未来の自分が大きく変わるという感覚があります。自分の意思に加えて、周りの人たちや環境が、事態を加速させています。まだまだ課題山積だし、不安もあるけど、それでもやっぱりワクワク感が勝っています。
よく考えたら、数日後の自分がどんなことになっているかも、わかりません。
数日後、数ヶ月後、数年後の自分は、もっともっと人をワクワクさせる存在でありたい…決意を新たに、ブログスタート。